成舟 かんとりーL!FE

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盛岡にこんな素晴らしい才能がいたとは…。

最初にこの方の絵を見た時、何か大きな物で心を揺さぶられた。

澤田哲郎氏。

生きた音が僕の胸をぐんぐん押してくるようだった。

昭和61年、病魔に侵され66歳で世を去る。

澤田哲郎氏のアトリエには、壁に「三万マイ」と大きく墨書きされている。

3万6千5百枚。

1日1枚、100年絵を描き続けた事になるこの数字が

澤田哲郎氏の目標だったそうです。

北斎を心酔し、「絵描きも職人」との持論から

1日1枚のノルマを課して制作に取り組んだそうです。

今年の3月、たまたま展示会を見た時に衝撃を受けた。

この人は何者だと…。

とにかく全部同じ人が描いたとは思えない程いろんな絵があった。

風景画っぽいのから、習字の筆で書いたものや、

独創的で奥深い絵達が所狭しと並んでいた。

僕は、絵の事は正直さっぱり分からない。

玄人さんが話す「このタッチが素晴らしい」とか全然分からない。

でも僕の音楽もそうだが、素人さんの方が先入観なしで

ありのままで感じられると思う。

共鳴。

僕は、はじめて「絵」というものと共鳴した。

なんか血が騒いだのだ。

この方の絵のバックグラウンドに壮絶な生き様を感じた。

この方の絵を「怖い」とか「暗い」とか言う方もいた。

でも僕は、全然そうは思わなかった。

むしろ自分を貫く強さを感じられずにはいられなかった。

写真でご本人も拝見したのですが、結構イメージと違った。

アトリエで沢山のキャンパスを並べ、まるで流れ作業をしているような

そんな雰囲気の中に哲郎さんは、優しい顔をして描いていた。

そのギャップにむしろ感動した。

「えっ、この感じでこの絵を書くの?」

意外というか、凄い才能の持ち主だと痛感した。

その他にも、道化師や馬、犬、鳥などさまざまな絵に心奪われた。

盛岡市生まれ→文化学院→川端画学校で絵を学ぶ→

戦後、シベリア仰留を経て帰国。

アメリカで個展を開催し評価を得る。

何とも素晴らしい芸術家だ。

「俺みたいな奴が一人ぐらいいてもいがべ」
          ↓
「俺みたいな奴が一人ぐらいいてもいいだろ」

正確には覚えてないが、そんな言葉を見つけた。

勇気を貰った。

自分らしさ。

それは、誰にも真似できないオンリーワンだ。

人に気にいられたいからコロコロとスタイルを変える人もいる。

でもそれは簡単な事だ。

誰にでもできる。

でも僕は、どんなに笑われても、自分にしか創れない物を創りたい。

なんかそんな想いを勝手に哲郎さんの絵と重ねながら見ていた。

音楽も絵もやはり心で奏でるのだ。

ちゃんと伝わる人には、届く。

だからこだわり続けよう。

そう改めて心に誓った。

そして、この展示会で僕が気に入った絵がいくつかあった。

ただ、哲郎氏の絵は、どこを探しても見る事はできない。

そうこの展示でみた記憶だけが全てなのだ。

だから歌にする事にした。

・盲目の奏者
・洗濯物
・好日
・雨のランデブー

この絵達を、僕の心にずっと刻む為に、

澤田哲郎氏に敬意を表して。








≪奏者:そうしゃ≫ 2010/3/21

朝日が 異様な 色をして 目が覚める
雨まじりの セピア 鍵を開け あなた思い出す
 
  
  砂まじりでも 油まみれでも 
  あなたが描く その全てが愛おしいよ
  浮かび上がる この先も


月日は 感じないものですか? 
色をつけ 過ぎ去っていく
地位や名誉は やがて 意味をなくす

  
  路上で見つけた 盲目の奏者が
  あなたのメロディー つないでゆくよ
  色褪せる 事もなく


名前のない日々にただ
名前のない時代を映した
あなたは何処で見てますか?
名前のない未来を描いて


  太陽の命 浴びる 好日に
  風に揺られる あなたの 洗濯物
  明日は 雨の ランデブー







 



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